歯の美白最前線!ホワイトニングの最新技術まとめ

美しく白い歯を実現したい時、問題はどのような方法を用いるのが最適かと言うことです。今までの常識ですと、ホワイトニングは痛みに関する不安があったり、高額なのに効果がイマイチ物足りない方法もありました。加えて、長期間続ける必要があるのも、面倒かもしれません。

しかし、現在は技術の発達によって、このような事情は変わりつつあります。今回は、ホワイトニングの最新技術を、まとめて見ていくことにしましょう。

痛くないSaiホワイトニングシステム

Saiホワイトニングシステムは、痛みが少ない歯の美白方法として歯科医の間では導入が進みつつあります。基本的な流れは従来のホワイトニングと同じですが、使う薬剤が違うのです。歯の表面をクリーニングしてから、新技術で作られた薬剤を歯に塗布することで美白を実現します。

この新型の薬剤はブライトニング剤と呼ばれているもので、歯の明度をあげるのが特徴です。これまでは歯の彩度を高める薬剤が主流だったのですが、これだと作り物みたいなマットな白さになってしまうのが問題でした。その点で、ブライトニング剤を使うと透明感を維持しつつ明度をあげ、自然な白い歯が手に入ります。

ただし、ブライトニング剤を使い過ぎると、日本人の場合は逆に歯が暗く見えるケースがあるので要注意です。このため、ブライトニング剤を2回使ったら、後は通常のホワイトニング剤を1度利用する、と言う具合に組み合わせて使うこともしばしば。

このあたりは個人差があるため、歯科医と相談しながら決めていくことになるでしょう。ブライトニング剤を使うことで得られるメリットは多く、痛みが少ないほかに、時間の短縮にも貢献します。歯肉ダムを使わないで施術できるため、目安としては、3割くらいは時間短縮ができるようです。

たった一度で美白できるNASAの新技術

宇宙開発のパイオニアであるNASAは、新素材や優れた先端技術を作り出す組織としても知られています。そんなNASA所属の科学者・Dr.John Warner氏によって誕生した歯の美白技術が、ブライトホワイトです。

この方法を使えば確実性の高い美白ができ、たった一度で施術が終わるのも特徴となります。施術には1時間ほどかかりますが、これを繰り返す必要はないため、仕事などであまり時間がとれない方でも検討しやすいはず。それでいて効果は折り紙付きで、一度だけの施術なのに、カラーガイドで言えば6から10段階は白さが増す見込みがあります。

一度で済むので、従来に比べて費用はリーズナブルになりやすいのも嬉しいポイントです。他にもメリットは色々あって、ホームホワイトニングを同時に行う必要がないため、かかる手間が減ります。食事制限は1度だけ必要なのですが、これなら我慢できる範囲ではないでしょうか。

この装置では、光の照射にも工夫がなされており、通常では光が届きにくい奥歯にもきちんと施術することが可能です。これによって、一般的な施術と違いムラが生じにくいのもメリットでしょう。このような多数のメリットが得られる理由は、ずばり光が従来と違う点です。

現状ではホワイトニング剤を歯に塗って、LEDライトを歯の一本一本地道に照射していく方法が主流となります。しかし、ブライトホワイトはプラズマライトを使うのが特徴です。ただし、そのままプラズマライトを照射するのではなく、適切な冷却装置を用意しています。

これで痛みをおさえながら、歯の全体に一気に照射することで、短時間で満遍なく施術できると言うわけです。ブライトホワイトは現在、アメリカではビバリーヒルズなどの歯科医で導入が進みつつあります。日本でも導入している歯科医が、少しずつ見当たるようになってきました。

老化による黄ばみにも有効なビヨンドシステム

ビヨンドシステムも上記のNASAの技術と同じく、照射する光に特徴があるタイプです。こちらは一般的なLEDではなく、特殊な可視光線を照射する装置を使います。1回当たり30分の施術で、一挙に16本前後の歯を美白することが可能です。

その効果は高く、カラーガイドで言えば5段階ほど歯が明るくなります。

基本的には2回繰り返せば、かなり明るくなる見込みです。利用する光は可視光線なので、痛みは少ない上に紫外線を浴びるリスクを低減可能。低温の光線を使うので、知覚過敏も生じにくいと言われます。この施術方法では、タバコやコーヒーなどの嗜好品による着色の他、老化に伴う歯の黄ばみにも効果があるのはメリットです。

他の方法で充分な効果が得られなかった方は、こちらを検討してみると良いでしょう。日本でも浸透しつつある方法ですから、お近くで施術できるクリニックがあるかもしれません。

Panasonic開発の自然成分で美白する「Sylphid」

最大手の家電メーカーの一つとして知られるPanasonicが開発した、美白ジェルを使わないのがホワイトニング装置が「Sylphid」となります。「Sylphid」は二酸化炭素と水と言う身近な物質を使って、歯を美白する装置です。

普通に水と二酸化炭素を混ぜても炭酸水になるだけなのですが、この装置では独自のプラズマ技術により、有効成分のOHラジカルを生成します。OHラジカルは現在、多彩な分野で期待されている物質で、殺菌や消臭などの効果があるのが特徴です。

ホワイトニングにおいては、OHラジカルが歯の黄ばみや着色の原因となる物質を分解することで、美白効果が期待できるとされています。これまで紹介してきたものと違い、「Sylphid」はホームホワイトニング用の機材です。

自宅で気軽に使えるのが魅力となっており、危険な薬剤を使わないので安全性も高め。歯の神経を刺激したり、ダメージを与えるリスクも殆どないでしょう。使い方は簡単で、OHラジカルを生成装置本体に付属しているマウスピースを歯に装着すれば、ホワイトニングを実施できます。

本体には二酸化炭素カートリッジ、マウスピースには水を含ませたコットンをセットしておくと、本体が自動でOHラジカルを生成してミストを発生させ、歯の隅々まで行き渡らせていきます。2020年12月時点では開発・研究中の製品となっていますが、完成すれば画期的なホームホワイトニングのアイテムになりえるでしょう。

高品質で知られる国産の技術なので信頼感もあり、今後も目が離せません。

可視光応答型光触媒を使ったティオン・ホワイトニング

歯ブラシなどのメーカーとして知られる株式会社ジーシーが手掛けたのが、ティオン・ホワイトニングです。従来のホワイトニングでは過酸化水素濃度を高めに設定した薬剤を使いますが、これが歯にとって負担でした。表面が荒れたり、知覚過敏になるリスクがあったのです。

そこで、ティオン・ホワイトニングでは可視光応答型光触媒と呼ばれる特殊な物質を用いて、低濃度の過酸化水素でも高い美白効果を得られるように工夫しました。結果的に痛みも少なく、透明感もある仕上がりが得られます。

日本で導入が進んでいる先進技術も

今回はホワイトニング関係の先進技術を紹介してきました。新しい技術では痛みが少ない上に、費用や時間的な負担が軽いものが多く、魅力に感じられたかもしれません。現在の日本では浸透しているとは言えない技術ですが、それでも、エリアによっては導入している歯科医も見当たるので、気になった時には一度、リサーチしてみるのがおすすめです。