授乳中に歯医者でホワイトニングをしてはいけない理由を解説

さまざまな身体のケア方法の中から授乳中に行えないケアとして挙げられるのが、歯医者でのホワイトニングです。ホワイトニングは歯を清潔にしてもらえる便利なケア方法ですが、授乳中に行うと身体に悪影響を及ぼす可能性があります。

この記事では授乳中に歯医者でホワイトニングをしてはいけない理由や、授乳中に行えるホワイトニング方法を解説します。

授乳中はホワイトニング薬剤を使用するべきでない

出産を終えた後に授乳をしながら歯を白くしたいと考える女性がいますが、ホワイトニング薬剤を授乳中に使用するのは推奨されていません。ホワイトニング薬剤には、授乳中のホワイトニングを控えるよう注意事項が記載されています。

ホワイトニングが授乳中の女性や子供に与える影響については明確に証明されていませんが、ホワイトニング薬剤の安全性が臨床試験で証明されたわけでもありません。ホワイトニング薬剤には「過酸化水素水」という成分が配合されています。

ホワイトニング薬剤を使用すると、「過酸化水素水」は歯に作用すると同時に体内に入り込んでしまいます。「過酸化水素水」が体内で確実に分解されるのかわかっていないため、ホワイトニング薬剤は授乳中の使用を推奨されていません。

授乳中に使用するべきでない薬剤

ホワイトニング薬剤に限らず、多くの市販の薬は妊娠中や授乳中の使用を控えるよう注意事項を記載しています。胎児や乳児への影響がないと安全性が証明されている薬以外は、使用する前に配合されている成分や薬剤の確認が必要です。

授乳中に使用するホワイトニング薬剤を選定する際には、「過酸化水素」と「過酸化尿素」の2つの薬剤に用心しましょう。「過酸化水素」には歯を漂白する効果があり、オフィスホワイトニングに主に配合されている薬剤です。

しかし授乳中に母親が体内に「過酸化水素」を取り込んでしまうと、母乳を経由して子供に悪影響が及ぶ可能性があります。もう1つの用心するべき薬剤「過酸化尿素」は、ホームホワイトニングに主に配合されている薬剤です。

「過酸化尿素」は使用した際に分解されて「過酸化水素」を発生してしまいます。歯医者で提供されているホワイトニングの施術で使用する道具には、授乳中に使用するべきでない「過酸化水素」と「過酸化尿素」が配合されています。

授乳中でも活用できるホワイトニング方法

授乳中は子供や母親の身体に悪影響を及ぼす可能性があるホワイトニング薬剤を使用するべきではありませんが、授乳中でも活用できる歯を白くする方法があります。予算や使用方法を確認して、自分に合ったホワイトニング方法を選定しましょう。

・市販のホワイトニング歯磨き粉を使用する

歯の表面の汚れの除去や色素沈着の抑制などの効果がある市販のホワイトニング歯磨き粉を購入して使用する方法です。日本では薬事法により、「過酸化水素」や「過酸化尿素」が配合されている歯磨き粉を市販できないと定められています。

そのため市販のホワイトニング歯磨き粉であれば、どの商品にも授乳中に使用するべきでない薬剤は入っていません。市販のホワイトニング歯磨き粉は、授乳中に使用しても問題ない「ポリリン酸」や「メタリン酸」などの薬剤が配合されています。

・歯医者でPMTCを依頼するPMTCとは歯医者で専門器具を使用して歯の汚れを除去してもらう方法で、妊娠中や授乳中に行っても問題ないホワイトニング方法です。歯の汚れを除去して見た目が美しくなるだけでなく、日頃の歯磨きで落とし切れていない汚れを落としてもらえるため病気予防にもなります。

・歯のマニキュアを歯に塗布する歯の表面に白いマニュキアを塗って歯を白く見せる方法です。歯のマニュキアに対応している歯医者もありますが、市販の商品を使用する場合は1本2,000円から3,000円で歯を白くすることができます。

歯のマニュキアは被せ物の歯にも塗布が可能です。

しかし効果の持続期間が短く、約1日程度しか効果が持続しないデメリットがあります。

授乳中に歯のホワイトニングケアを行う際に気を付けるポイント

授乳中に自宅でホワイトニングを行う際には、ホームケア商品の選定に用心が必要です。国内産のホームケア商品であれば薬事法により規制されているため、「過酸化水素」や「過酸化尿素」などの授乳中に避けるべき薬剤が配合されているホワイトニング歯磨き粉は市販されていません。

しかしホワイトニング歯磨き粉の生産国が海外の場合、使用する前に必ず配合されている薬剤を確認しましょう。海外産の歯磨き粉は通販サイトでも気軽に購入できてしまうため、間違えて購入してしまわないように用心が必要です。

またホワイトニング方法の1つとして自宅で行えるホームホワイトニングがありますが、ホームホワイトニングには歯医者で行うホワイトニングと同じように「過酸化水素」と「過酸化尿素」が配合されています。そのため授乳中のホワイトニングケアにはホームホワイトニングは使用せず、先述した市販のホワイトニング歯磨き粉、PMTC、歯のマニュキアの3つの方法のうちいずれかを選ぶようにしましょう。

授乳中のオーラルケア

授乳中は育児に忙しくて歯医者に行く時間が取れない人も多いでしょうが、定期検診やクリーニングなど定期的に歯医者に通って歯を手入れしてもらうのがおすすめです。歯医者で依頼できるPMTCは授乳中に行っても問題がなく、歯が綺麗になるだけでなく新たな病気の発生を予防できるメリットがあります。

歯医者の中にはキッズスペースや子供の預かりサービスを用意しているクリニックもあるので、半年に一度は歯医者を訪ねるようにしましょう。また歯医者で歯を綺麗にしてもらったら、新しく歯に汚れが付いてしまわないように用心してみてください。

コーヒーや紅茶、醤油、カレー、ミートソース、チョコレートなど、色が濃い飲食物は歯を変色させやすいです。一方炭酸飲料や柑橘類、お酢を同時に摂取すると歯の変色を防いでくれます。歯を変色させやすい食べ物の摂取を完全に断つ必要はありませんが、食後の歯磨きやうがいを早めに行うなど用心しておくと歯の変色予防に効果的です。

授乳中も歯の健康に気を付けましょう

歯の清潔や綺麗な状態を保つことは、見た目の美しさを守るだけでなく健康管理のためにも重要です。出産後育児に追われて歯の手入れが疎かになってしまう可能性が高いですが、毎日食後の歯磨きの時間を大切にしましょう。

もしも授乳中に歯のホワイトニングケアを行う場合は、今回紹介した授乳中でも活用できる3つのホワイトニング方法を活用してみてください。